基礎編

チーズの歴史とは?全31種類を6つのタイプに分類し簡単に紹介

こんにちは、

理系ソムリエのシゲです!

みなさんはチーズはお好きですか?

単体で食べたり、ワインと合わせたり、料理の材料としても幅広く利用されていますね。

今回は、そんなチーズの歴史や種類について、一緒に学びましょう。

チーズの歴史

チーズの歴史

はっきりとした文献はまだ見つかっていないのですが、紀元前6500~5500年頃、メソポタミア文明の地で誕生したと考えられています。

ある時アラビアの隊商が、動物の胃袋で作った水筒にミルクを入れて、暑い砂漠をラクダの背に揺られて旅をします。

のどが渇いた商人が水筒のミルクを飲もうとしたところ、白い塊と黄色い水になっていました。

その塊を恐る恐る食べたところ、非常においしい食べ物だったそうです。

日本には飛鳥時代(592~710年)に乳製品が伝わり、『蘇(そ)』というチーズらしきものが作られていました。

明治時代(1868~1912年)の文明開化によって、酪農振興や学校給食など、時代と共に開花してきました。

全31種類を6つのタイプに分類

1、フレッシュタイプ

フレッシュタイプ

一般的に熟成させないタイプです。

水分が多く、軟らかいものが主流です。

①モッツァレラ(イタリア)

ナポリ近郊が原産で、水牛乳または牛乳で作られる。

製造工程の引きちぎる動作『モッツァーレ』が名前の由来。

②マスカルポーネ(イタリア)

ロンバルディア州原産で、牛乳で作られる。

クリームを加えて作るので脂肪分が多く、滑らかな口当たりが特徴。

塩味や酸味が少なく、ティラミスなどの製菓用や料理用で使われることが多い。

③フェタ(ギリシャ)

羊乳100%または山羊乳を加えて作られる。

塩水の中で2ヵ月間浸してから出荷されるため、塩辛いのが特徴。

硬い豆腐のような見た目で、長方形にスライスしたり、キューブ状にカットしてオイルに浸して売られる。

『フェタ』はギリシャ語で『スライス』を意味する。

④ストリングチーズ(日本)

牛乳で作られ、手で簡単に裂けるのが大きな特徴。

モッツァレラを作る工程で、繊維性を持った組織ができるのをヒントに開発された。

穏やかな風味で、どんな場面でも楽しめるチーズ。

2、白カビタイプ

白カビタイプ

チーズの表面に白カビを繁殖させ、熟成させるタイプです。

表面から内部に向かって軟らかく変化していき、風味が濃厚になるのが特徴です。

⑤カマンベール(フランス)

18世紀末に北部のノルマンディー地方で誕生し、牛乳で作られる。

名前は地元の『カマンベール村』に由来し、白カビチーズの代名詞となっている。

⑥ブリ(フランス)

パリ近郊のブリ地区で、牛乳で作られる。

特にモー村で作られた『ブリ・ド・モー』は、ウィーン会議でヨーロッパチーズの王様に選ばれたことがあり、以降『チーズの王様』と呼ばれている。

また、1000年以上も前から作られており、カマンベール誕生の元になっている。

3、青カビタイプ

青カビタイプ

チーズの内部に青カビを繁殖させ、熟成させるタイプです。

青カビは酸素を好むため、チーズ内部に穴をあけて繁殖を促すのが特徴です。

⑦ロックフォール(フランス)

南部のルエルグ地方で、羊乳で作られる。

世界三大ブルーチーズの一つで、2000年以上も前から作られている。

名前は、洞窟を利用した熟成庫のある『ロックフォール・シュール・スールゾン村』に由来。

⑧ゴルゴンゾーラ(イタリア)

北部のロンバルディア州、ピエモンテ州で、牛乳で作られる。

世界三大ブルーチーズの一つで、名前は『ゴルゴンゾーラ村』に由来。

青カビの量が多く、しっかりと塩味の付いた『ピカンテ(辛口)』と、青カビの少ないクリーミーな『ドルチェ(甘口)』がある。

⑨スティルトン(イギリス)

イングランド中央部で、牛乳で作られる。

世界三大ブルーチーズの一つで、このチーズを客に出して有名になった町の名前が由来。

チーズ内部に青カビが細かく入り込み、やや苦味のあるピリッとした風味が特徴。

⑩カンボゾーラ(ドイツ)

牛乳を使い、表面は白カビに覆われ、内部は青カビが植を付けて作る。

名前は『カマンベール』と『ゴルゴンゾーラ』を掛け合わせた造語。

ブルーチーズ特有の辛みは弱く、脂肪分が高いためクリーミーな味わい。

⑪ダニッシュ・ブルー(デンマーク)

牛乳を使い、ロックフォールをモデルに開発された。

『ダニッシュ』とはデンマークのこで、白色のボディに浮かぶ青カビのラインは、大理石模様と評されている。

刺激的な辛口の風味がある。

4、ウォッシュタイプ

ウォッシュタイプ

チーズの表面を塩水やアルコールで洗いながら、熟成させるタイプです。

そうすることでリンネス菌が繁殖し、強いにおいと赤い粘り気のある膜を作り、風味が強くなるのが特徴です。

⑫マンステール(フランス)

アルザス地方のヴォージュ山中で、牛乳で作られる。

塩水で洗いながら熟成させることによって、表皮はオレンジ色になり匂いも強くなるが、中身の味はマイルドになる。

初めは修道士によって作られ、小さな修道院を表す『モナステル』が名前の由来。

⑬モン・ドール(フランス)

フランシュ・コンテ地方のジュラ山脈一帯で、牛乳で作られる。

雪深いこの地方で、冬の時期にのみ作られる季節限定のチーズ。

熟成が進むと軟らかくなるため、スプーンですくって食べる。

⑭タレッジョ(イタリア)

北部のロンバルディア州で、牛乳で作られる。。

塩水で洗いながら熟成させ、オレンジの表皮はベタベタと湿り気を帯びる。

中身はムッチリとしていて、風味の優しい穏やかな味わい。

名前はアルプス山麓にある『タレッジョ渓谷』に由来。

5、シェーヴルタイプ

シェーブルタイプ

フランス語で山羊(ヤギ)のミルクから作られるチーズを『シェーブル』と言います。

山羊乳製のチーズは組織がもろく崩れやすいので、比較的小さい形で作られるのが特徴です。

⑮サント・モール(フランス)

西部のロワール川流域で、山羊乳で作られる。

薪のような細長い形をしており、中央に藁を一本通し、周りに木炭粉をまぶして熟成させる。

熟成が進むにつれて水分が抜け、色や味が複雑で濃厚になる。

⑯クロタン・ド・シャヴィニョル(フランス)

西部のロワール川中流域で、山羊乳で作られる。

熟成段階によって味わいが変化し、様々な風味を楽しむことができる。

6、セミハード・ハードタイプ

ハード・セミハードタイプ

長期熟成させ、硬く、水分が少なくなったタイプです。

熟成によって旨味成分が作られ、濃厚な味わいに変化するのが特徴です。

⑰ミモレット(フランス)

北部で、牛乳で作られる。

オランダ原産とも言われ、天然色素でオレンジ色に着色される。

熟成期間3ヵ月程度のものはしっとりとして軟らかく、1年以上のものは硬く濃厚な味になる。

語源は『半分(mi)』と『硬い(molle)』からきている。

⑱コンテ(フランス)

東部のフランシュ・コンテ地方のジュラ山脈一帯で、牛乳で作られる。

最低4か月以上の熟成を経て作られ、香ばしさと豊かな風味が感じられるチーズ。

⑲パルミジャーノ・レッジャーノ(イタリア)

北部のエミリヤ・ロマーニャ州を中心とした地域で、牛乳で作られる。

最低12ヵ月、長いものでは4年という長期熟成型であり、大きくて硬い。

旨味が強く、薄く削ったりすりおろすなど、料理に使われることも多い。

このチーズを担保に融資が行われるほど、その価値が銀行に認められている。

⑳ペコリーノ・ロマーノ(イタリア)

ローマ近郊が原産地で、羊乳で作られる。。

イタリアに現存するチーズの中では、最も歴史が古いと言われている。

熟成は最低5ヵ月~1年で、若いものはそのままで、熟成が長いものはすりおろして料理に使われる。

㉑ケソ・マンチェゴ(スペイン)

内陸部のカスティーリャ・ラ・マンチャ地方で、羊乳で作られる。

セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』に登場するチーズ。

ナッツや乾し草のような香りと、甘味が感じられる。

㉒エメンタール(スイス)

アルプス山中が原産地で、牛乳で作られる。

内部に大きな穴がたくさん空いているのが特徴で、ほんのりとした甘味と苦味がある。

自国では『チーズの王様』と呼ばれ、日本ではチーズフォンデュの材料として親しまれている。

㉓グリュイエール(スイス)

南西部のグリュイエール地方で、牛乳で作られる。

自国では『チーズの女王様』と呼ばれ、エメンタールと共にチーズフォンデュには欠かせない。

㉔ラクレット(スイス)

ヴァレー州が原産で、牛乳で作られる。

名前の由来は『ラクレ(フランス語で削り取る)』からきています。

山小屋の暖炉で半分に切ったチーズの切り口を温め、溶けた部分をナイフで削り取って食べていた。

㉕テット・ド・モワンヌ(スイス)

西部のジュラ山脈にある修道院で、牛乳で作られる。

『修道士の頭』の意味で、20世紀後半に専用の削り器『ジロール』が発明されてから、一気に世界に知れ渡った。

フリルのように薄く削ることによって香りが広がり、濃厚な味がマイルドになる。

㉖チェダー(イギリス)

イングランド南西部が原産で、牛乳で作られる。

作ったチーズを、チェダー渓谷にある洞窟で保存していたのが名前の由来。

若いうちは軽い酸味があり、熟成が進むとナッツのような風味とコクが出てくる。

㉗ゴーダ(オランダ)

牛乳で作られ、国内の町の名前に由来。

熟成1ヵ月の軟らかくあっさりした味わいのものから、熟成4年以上の硬くて旨味が凝縮したものがある。

あらゆる熟成段階を楽しむことができ、香辛料やハーブ入りなどもある。

㉘エダム(オランダ)

牛乳で作られ、アムステルダム近くの町の名前が由来。

球形で、輸出用は赤いワックスでコーティングされている。

マイルドな中にもコクがあり、かすかな酸味がある。

㉙マリボー(デンマーク)

牛乳で作られ、ローランド島の町の名前が由来。

ゴーダををお手本に作られたチーズで、組織に細かい穴が多いのが特徴。

穏やかで優しい風味がある。

㉚サムソー(デンマーク)

牛乳で作られ、発祥地のサムソー島が名前の由来。

スイスのチーズ技術者によって開発され、マイルドな風味がある。

㉛コルビー・ジャック(アメリカ)

牛乳で作られ、オレンジと白のきれいなマーブル模様をしている。

オレンジ色は、チェダーに似た風味で『ゴルビー』と呼ばれている。

白色は、穏やかな風味で熱に融けやすい『モントレー・ジャック』。

この2種類のチーズを刻んで混ぜ、圧縮してできる。

加熱することによって、2つのチーズの風味がより際立つ。

まとめ

いかがでしたか?

ワインや食後酒と一緒に、チーズも楽しんでみて下さいね。

今宵もあなたに最高の一杯を!

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