こんにちは、
理系ソムリエのシゲです!
ワインやウイスキーを熟成させる上で、『オーク』というで木で作った樽が用いられます。
みなさんも何度か耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回はオーク樽について簡単に説明します!
なぜ樽材としてオークが使われるのか?
樽材はワイン熟成のため数十年にもわたって貯蔵しなければならなりません。
オーク樽は繊維の目が詰まっている為、頑丈で漏れにくい構造になっています。
また、タンニンやポリフェノール類を含有し、ワインの香りに大きな影響を与得るのに最適でなのです。
オークには大きく分けて2つに分けられます。
①フレンチオーク
・タンニンが多く、バニラ香やココナッツ香が控えめ
・価格が高い(7〜8万円)
②アメリカンオーク
・タンニンが少なく、バニラ香やココナッツ香が強い
・価格が安い(3〜4万円)
他にもハンガリアンオークやジャパニーズオーク(ミズナラ)などがある。
オーク樽の作り方とは?
切り出されたオーク材はシーズニングといって、含有する水分や渋み、樹液を2〜3年間自然乾燥させます。
これによりオーク材が乾燥し、含有成分が一部分解されてバニラ香やココナッツ香が増えます。
どういった環境でシーズニングを行うかにより、樽が持つ味わいに違いができます。
中には、屋内で人工的に散水しながら乾燥させる場合もあります。
シーズニングしたオーク材で樽型に組み立てた後、内側をトーストします。
熱により木材に含まれるリグニンが分解され、バニラ香をもつバニリンに変化します。
トーストの度合いが軽いとワインが樽材に浸み込みやすく、樽材からのタンニン抽出が多くなります。
反対にトーストの度合いが強いと樽の内側が焦げ、ワインの浸み込みが少なくなることで、樽からのタンニン抽出は少なくなります。
また、コーヒーやカラメルなどのロースト香が強くなります。
オーク樽はとても高価であるため、ワイナリー経営者にとっては経済的に圧迫すること要因にもなり、ワインの価格も上げざるを得ない状況にあります。
近年ではEU規則により、EU域内でのワイン生産に、オークチップの使用が認められました。
これは、ステンレスタンクのワインにオークのウッドチップを漬け込むことで、オークの成分をワインに溶出させる方法です。
これによりコスト削減が可能となりました。
まとめ
いかかでしたか?
元々樽は、お酒だけでなく油や貴重品などを保管する容器として使用されていました。
ある時、フランス人が樽に入ったブランデーを輸出先で積み下ろし忘れ、持ち帰ってしまいます。
帰国してからそのことに気付き、樽を開けました。
するとブランデーに色が付き、特別な味と香りが加わっていたのです。
これがきっかけで、お酒を樽で貯蔵して風味を付け加える製法が始まりました。
何でも、失敗は成功のもとですね!
今宵もあなたに最高の一杯を!