こんにちは、
理系ソムリエのシゲです^_^
みなさんはボージョレ・ヌーヴォーと聞いて何を思い浮かべますか?
新しいワイン、軽めの赤ワイン、年に一度みんなで一斉に飲むワインなど、様々だと思います。
今回はボージョレ・ヌーヴォーについて一緒に学びたいと思います。
ボージョレ・ヌーヴォーとは
ボージョレ(Beaujolais)は『フランスの地区名』、ヌーヴォー(Nouveau)は『新しいもの』を意味します。
つまり『ボージョレ地区の新酒』という意味です。
ボージョレ・ヌーヴォーを名乗るには、
●その年にボージョレ地区で収穫したガメイ種を使用し、赤かロゼワインであること。
●11月の第3木曜日を販売開始日とし、収穫年数を表示すること。
これらが法律で定められています。
元々は地元の人が収穫祭で楽しむためのものでした。
ビールや日本酒でも、そういったお祭りがありますよね。
それが評判になり、各ワイナリーはどこよりも早く販売しようと、質の良くないワインを出荷し始めました。
この混乱を規制するために、フランス政府は解禁日を設定しました。
最初は日付まで決めていましたが、毎年曜日が違ったりと、流通業者やレストランなどに影響が出てしまいました。
その為、現在のような解禁日に定められました。
『マセラシオン・カルボニック製法』とは
別名『炭酸ガス浸漬法』や、『MC法』とも呼ばれています。
これはボージョレ・ヌーヴォーの造り方です。
密閉タンクに収穫した黒ブドウを破砕せずに入れ、人工的に二酸化炭素を充満させる。
あるいは潰れた一部のブドウが発酵することにより、発生した炭酸ガスを充満させる。
こうすることで、果皮に含まれるアントシアニン色素が抽出されやすい状態になる。
この状態で数日間置いてから圧搾し、発酵工程へと移る。
この方法によると、色が濃くて渋みの少ない、フレッシュなワインが得られる。
また特徴的なバナナの香り(酢酸イソアミル)が生まれる。
いろいろな地域の新酒ワイン
新酒ワインはボージョレ地区だけではありません。
ボージョレ地区の真上に位置するマコン地区では、シャルドネ種を使用した白ワインの新酒が認められています。
その他、ロワール地方のアンジュー地区ではロゼ、コート・デュ・ローヌ地方では赤とロゼの新酒が認められています。
熟成ワインの多いボルドー地方では、新酒で販売したらもったいないという理由で、存在しません。
フランス以外でも、
●イタリア『ヴィーノ・ノヴェッロ』(解禁日:10月30日)
●スペイン『ヴィノ・ヌエボ』(解禁日:11月11日)
●ドイツ『デア・ノイエ』(解禁日:11月1日)
●オーストリア『ホイリゲ』(解禁日:11月11日)
●日本『山梨ヌーヴォー』(解禁日:11月3日)
などがあります。
まとめ
いかかでしたか?
日本では時差の関係で、本拠地フランスよりも早く解禁日を迎えます。
また、毎年決められるキャッチコピーも話題になり、楽しみの一つになっています。
新酒はその年の出来を占う、特別なお酒だと私は思います。
ワイン愛好家の中には『ボージョレ・ヌーヴォーで騒いでいるのは日本だけだ』とか、
『ワインの知らないやつが勝手に盛り上がってるだけだ』、
『新酒など美味しくない』などの考えをお持ちの方もいらっしゃると思います。
私はどんなお酒も、人生をかけて作ってくれている人に感謝します。
妄想でも構わない。
まだ見ぬ土地のロマンが、そのボトルに詰まっている。
間違っていたとしても、そんなことを感じ取れるような感性を持ち続けたいと思う。
今宵もあなたに最高の一杯を!